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2013年7月20日 (土)

淳心学院中学・高等学校について

 私が小学生の頃は淳心の生徒はまさに「エリート」という印象で、受験生も「淳心が本命で白陵は滑り止め」というのが共通の認識でしたが、今や立場は逆転してしまいました。私が中・高と通っていた塾の同級生のうち(知っている限り)3人が淳心を受験し、1人だけ合格しました。合格した甲君は「友達と離れたくない」という理由からそのまま公立中学に進学し、西高から現役で京大の工学部に合格しました。不合格だった乙君は西高から一浪したのち阪大の工学部に、丙君は西高から現役で京大の法学部に合格しました。昔はそれぐらいハイレベルな子供達がしのぎを削っていましたが、今はそこそこ勉強すれば入れるようになってしまいました。家庭教師の依頼もほとんどは「淳心は滑り止め」で、「本命が淳心」という生徒は稀です。失礼なことを書きましたが、私の知る限り、淳心の教育の質は昔から現在に至るまで非常に高いものです。淳心の優れているところは基礎と基本を重視しているところです。進学校に多いパターンとしては、基礎と基本は生徒に任せて、応用的な部分を授業で取り扱っていくというものですが、淳心はそういう手を抜きがちでかつ軽視しがちな基本をしっかりと固めてくれます。

 以前、ある兄弟を教えていました。上(以下A)が岡白で下(以下B)が淳心ですが、Aが中2の時に受けたZ会の模試の問題を中2になったBに解かせたところ(国、数、英3教科300点満点)、Bの方がAよりも100点以上点数が高かったです。Aは岡白で大量の宿題に振り回される日々が続いており、また片道1時間の電車通学のせいで勉強時間が確保できないというデメリットも相まって、基本が全く身についていませんでした。それに対しBは、難問は間違えていましたが、基本が固まっていたため基本問題の取りこぼしがほとんどありませんでした。また、淳心まで自転車で10分で通学できる距離なので、タイムロスも疲労蓄積もありませんでした。中学入学時点での学力はAの方が圧倒的にBより上でしたが、あっという間に逆転してしまいました。偏差値が高いからと言って一概に良いとは言えない例です。

 淳心の校風は、一言で言えば自由です。勉強するのも自由ですし、サボるの自由です。結果、上位層と下位層とで学力差が極端に広がります。白陵と比較すると、宿題の量はそれほど多くはありません。また、テストの回数も比較的少ないため、「テストがあるから勉強する」という強制の契機が少なくなります。テストの問題も比較的簡単ですが、「ここは絶対に抑えていないといけない」そういう問題を精選して出題している印象です。進学校にありがちな奇をてらった変な問題はほとんど見かけません。部活動も自由です。同じ陸上部員でも、死ぬほど練習して大会で実績出しまくっている子供もいれば、たまに顔を出してリフレッシュ程度に運動してさっさと帰ってしまう子供もいます。良くも悪くも自主性を尊重している印象です。ただ、生徒は自分の意思で自由に時間を使っているので、生徒の学校に対する不満を耳にしたことはほとんどありません。

 出された宿題を真面目にやっていれば相当力がつくはずなのですが、ここ数年の大学進学実績が芳しくないのはおそらく、家で全く勉強しない子供がたくさん入学してくるようになったからでしょう。中間層がみな白陵に進学し、また少子化とも相まって、結果、家で全く(あるいはそれほど)勉強しない子供でも合格できるようになってしまった印象です(塾で授業を受け、宿題は家庭教師か個別の時間内で消化しかつ時間の許す限り復習すれば、他の時間で遊んでいても、以前の入試問題であれば引っかかってしまったのです)。当然、そういう子供はカリキュラムについて来れません。ヴェリタスとカリタスの制度導入に伴い入試問題が急に難しくなりましたが、それはおそらく、そういう家で全く勉強しないような子供を最初から排除するためでしょう。宿題の量も以前と比べてかなり増えてきました。これからどう変化していくのか、とても楽しみな学校です。

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