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2014年6月

2014年6月30日 (月)

過去問、問題集と教科書

 (2016年6月修正)受験において過去問は必須アイテムと言えます。過去問を解くことでその学校の問題のレベルが把握でき、自分の現状及び今後自分がどのような方向性で勉強していくかを認識することができます。過去問はあくまで「そういう意味」で必須なのであって、学力を上げるためのツールではありません。その過去問の実用性を認識せず、漠然と過去問を利用していも効果はありません。過去問を何周もこなしていけば合格レベルに達することができると考えている人、中には時間短縮のため、過去問をインプットの道具に利用している人さえいますが、過去問に出てきていない問題が出題されたとき、過去問しかやっていない人は対応できません。

 そしてこれは過去問に限らず、問題集についても同じことが言えます。問題集は手っ取り早く知識を得るためには最も効率の良いツールですが、問題集は今までの出題頻度の高かった問題を体系的にまとめたものに過ぎません。過去問と同様、問題集に出てきていない問題が出題された場合、問題集しかやっていない人はやはり対応できません。

 勉強の本質は教科書です。公立中学の場合、最近はどの科目もよく「~の理由を答えよ」という問題が出題されるようになりました。例えば「鎌倉幕府が滅んだ理由を答えよ」というような問題です。答えは「元寇で戦った御家人たちに対して幕府が十分な恩賞を与えず、御家人たちの幕府に対する不満が高まったから。」なのですが、問題集ばかりやっている生徒は、「元寇」などの単語は覚えていても、こういう文章化する問題になるととたんに答えられなくなります。問題集がクイズ形式になっているからです。教科書を読んでいる生徒は、流れが理解できているため、こういう問題にも余裕で対処できます。

 どの科目も、今後はこういう理由を問う問題がどんどん増えてくると思われます。「冬の季節風はどちらの方角から吹く?」「北西!」と答えられても、なぜ冬の季節風が北西の方角から吹くのか理由が答えられない、「鎌倉幕府をつくったのは?」「源頼朝!」と答えられても、頼朝が幕府をつくった理由を答えられない、これでは何の意味もありません。いずれも、教科書を読んでいれば容易に答えられます。知識だけなら、コンピューターがあれば十分です。教育機関も「こんなんじゃ、何の意味もないな」と気づき始め、単純なクイズ形式の問題は今後ますます減少し、勉強の本質を問われる問題が増えていくことでしょう。そういう意味では、今後は教科書の重要性はますます高まっていくことでしょう。

2014年6月23日 (月)

合格体験記の落とし穴

 私立の学校や予備校などがよく配布している合格体験記ですが、これは決して万人向けではないことに注意してください(特に予備校の場合、5000円~1万円につられた学生が予備校のヨイショ記事を書いている可能性大です)。勉強法は一人一人異なります。読者にとって必要なことが書かれていなかったり、逆に読者にとって不要なことが書かれていたりするので、読むのであればあくまで参考程度にするべきです。そして最も気をつけてほしいことは、人は当たり前のことは一々書かないということです。例えば東大生の合格体験記には、「赤本を一通りこなして」、予備校の場合なら「~先生の~講座を受講したことで~」などが書かれています。これらの合格者が英単語を覚えていなかったり数学の公式を覚えていなかったりすることはまずありませんが、体験記には「英単語を覚えた」などの事は書かれていません。それは東大受験生にとっては当たり前のことだからです。例えば「あなたが生きていくうえで必要なものは何ですか?」と聞かれたら、子を持つ親御さんであれば「子供」あるいは「家族」と答えたり、学生であれば「彼女」「野球」「お金」など、いろいろな答えがあると思います。そこで「水と食料と酸素」と答えると、「馬鹿かお前は?当り前だろうが!」と言われるでしょう。しかし実際は、家族や彼女や夢がなくても生きていくことはできますが、水と酸素と食料がなければ生きていけません。しかし、それは当たり前のことだからだれも答えません。つまり、人は当たり前のことは一々書かないのです。

 基本ができていない人が有名大学合格者の合格体験記を見てもあまり役には立ちません。そういう人はまず基本をこなさねばなりません。たまに生徒で「でも東大生の人がこれやって合格したって言ってたもん!」のようなことを言って英単語や漢字などの基礎を(しんどいから)やりたがらない人がいますが、基本なくして応用は解けません。むしろ、基本の固まっている人ほど応用力が高いです。「自分と向き合え。現状を知り打破する方法を考え、試せ。他人をマネても答えは出ない。本質は自分の中にしかない。」(『弱虫ペダル』金城真護)。自分の弱点は自己分析なくしては分かりません。それをせずに自分と優れた他者とを比較してその人の言う事を盲信してしまうと、とんでもない落とし穴にはまってしまいます。本を信じてその通りにやってみても結果が出せず、「この本の言う通りにしたのに!」と怒っても、本は責任を取ってくれません。自分の弱点をしっかりと分析して、自分にとって必要なことをせねばなりません。

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