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2014年10月11日 (土)

難関私立の落とし穴

 中高一貫の難関私立校に入学し、そのカリキュラムに従って有名大学に進学できる人もいれば、全くカリキュラムについていけず、浪人してやっと中堅レベルの大学に行く人もいます。後者のような落ちこぼれの生徒ですが、全く課題をしないような不真面目な人は論外として、学校から出された課題は一応はこなし、テスト前にもそれなりに勉強しているにもかかわらず、成績がいまいちな人もいます。あの難関試験を突破した天才たちがなぜこんなことになるのか?私立には落とし穴があります。その辺りをしっかりと認識しておかねばなりません。

①カリキュラムが早すぎる&課題が多すぎる…私立は公立よりもかなり速いスピードでカリキュラムが進められます。高校の単元だと上位公立高校とそれほどスピードは変わりませんが、中学時代は公立中学よりも難しい内容を、公立の2倍近い速度でカリキュラムが進められます。それに伴い、学校から大量の課題が課されるため、結果、復習にかける時間が少なくなり、理解が不十分なまま次の単元に進む羽目になります。理解を不十分にしたところに戻って固めようにも、カリキュラムが先にどんどん進んでしまうため、また、大量の宿題に時間がとられるため、戻れません。こうしてドツボにはまっていきます。

②基本を軽視している…これは全ての私立に当てはまることではありませんが、学校によっては有名大学に合格させるという意識が強いためか、授業では基礎や基本にあまり力を入れず、大量の宿題で基礎と基本を固めさせ、授業では演習をメインにしているところもあります。私の下に依頼に来る、成績の芳しくない私立の生徒は、驚くほど基本が理解できていません。そういう生徒に基本を説明してみると、真綿が水を吸うように吸収してくれます。自分で教科書を読んでどんどん勉強をするような子供は別として、実際には基本から教えて欲しいという生徒の方が多い印象です。

③運動時間が少なすぎる…ほとんどの私立はスポーツがあまり盛んではなく、「勉強の妨げにならない範囲で」短時間しか部活動をさせません。これは極めて愚かしいことです。本来、人間は勉強だけをするように造られていません。運動をしなければ体力はつきませんし、ストレスも発散できませんし、集中力もつきません。勉強だけをしていると必ずおかしくなります。成績を上げさせたければもっともっと運動をさせるべきです。学校の部活動がヌル過ぎて物足りない人は、部には所属せずに、放課後はクラブチームで練習するのもアリだと思います。

④社会と理科を軽視している…「五教科平等」の公立とは異なり、私立では国語・数学・英語を主要三教科として扱っています(個人的には英語を「主要」扱いすることにはかなり疑問を感じます。英語は実用性が高い反面、ただのコミュニケーションツールにすぎません。学問としては本質的ではないという印象です)。たとえ学校側に社会と理科を軽視する意図はなくとも、カリキュラム自体が主要三教科を重視している結果、生徒達に社会と理科を主要三教科より下に見る意識を芽生えさせてしまいます。私立の生徒の社会・理科に対する意識は、公立の生徒の副教科(保健、技術・家庭、美術、音楽)に対する意識に近いものがあります。「社会と理科は後で何とかなる、とりあえず主要三教科を」などと思っていたらとんでもない大間違いです。「社会なんて覚えるだけ」そう言って、結局最後まで覚えられないまま受験を迎える生徒は少なくありません。

⑤高校受験がない…経験上、どれだけ偏差値の高い私立の生徒でも、下位層(学年全体を成績上位から順に上・中・下と三等分して、その「下」に入る層)の学力の低さはシャレにならないほどヤバいです。しかしその下位層の生徒達も、またその親達も、自分達がどれくらいヤバいかを全くと言っていいほど認識していません。おそらく、「大学入試まであと~年もあるんだから」「まあ、俺には才能があるんだから、後で本気出せば何とかなるだろ」という意識が子供にも、あるいは親にも、少なからずあるのでしょう。中高一貫校では高校受験がないため、自分達の学力の現状を計る機会がありません。「下位層といったって、うちは有名校なんだから、その辺の公立の子供なんかよりは、うちの子の方がよっぽど賢いわよ!」そう思われる方は、もし子供の学年が中3以上の場合、一度、公立高校入試問題(5科目全て)を解かせてみて、点数を出してみてください。それでどの公立高校に引っかかるかが分かります。「それ」が現実です。

 以上述べたことはあくまで相対的なものであり、成績の良い人にはまったく当てはまらないことばかりでしょう。対して成績の悪い人は、自己分析をしっかりしなければなりません。今やるべきことを絞り、たとえそれが学校のカリキュラムに合っていなくとも、それを優先させるべきです。いろいろと試してみて、それでもついていけないようであれば、その学校に合わなかったのです。自分のレベルにあった学校に転校するべきです。

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