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2015年1月 3日 (土)

センター試験廃止に思うこと

 センター試験が5年後をめどに廃止され、それ以降は「達成度テスト」が導入されることになります。文部科学省の資料内容を見ると、「基礎的・基本的な知識・技能だけではなく知識・技能の活用力、思考力等を測る問題も含める(その問題は学習の達成度を測るものとし、選抜的な性質のものとはしない)。また、複数の教科を融合した教科融合型問題を含めることも検討。」とあります。資料を見て思うことは、今後はますます国語力、特に文章力が重要になってくるであろうということです。「複数の教科を融合した教科融合型問題」という部分、以下は完全に私の推測ですが、これまでのような「徳川吉宗の行った改革は?」「享保の改革!」のような一問一答式の問題は段階的になくなり、国語力と社会の知識を融合させた「徳川吉宗の行った享保の改革の内容を200字以内で説明せよ。」というような問題、あるいは大学のように「享保の改革について概説した上で、評価せよ。」という問題が出題されるかもしれません。あるいは国語と英語の複合的な問題として、「地球温暖化についてあなたが思うことを1000語以内で英作せよ」なんて問題が出題されるかもしれません。数学の証明問題もますます増えるでしょう。いずれも、単純な知識だけでは答案が書けず、それを組み合わせた文章力が必要になってきます。そしてそれを評価する教師の裁量の幅も広がるでしょう。こういう問題は欧米の大学入試では普通で、国際的な基準に日本の教育制度も合わせるような流れになります。

 個人的にはこの改革は妥当だと思います。むしろ遅いぐらい。あくまで私個人の経験ですが、大学入学以降、知識があってもそれを表現する技術がなく、そのため公の場でうまく発言できない、あるいはうまく文章化できないといことが多々ありました。無理もありません。それまで文章力を問われる場面がほとんどなかったから、文章力を鍛える必要がなかったからです。司法試験の論文の勉強をしていくうえで初めて文章の書き方を学んでいきましたが、こういう能力はなるべく早い段階で身に着けていくべきです。そして学校側もきちんと文章の書き方を教えなければなりません。海外の人達からはよく「日本人はおとなしい」「日本人は自己主張しない」と言われますが、これは自己主張しないのではなく、自己主張できないのです。主張をしたくても、それをうまく論理だてられないので説得力がない。これまでそういう訓練をしてこなかったから。

 追記。2017年、「到達度テスト」改め「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」のサンプル問題が公開されました。マーク半分・記述半分という、実に日本らしい中途半端な感じになっています。全部記述式でいいのに。

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