« 学歴について | トップページ | 人権作文について »

2016年7月 1日 (金)

漢字について

 学力を上げていくうえで漢字は欠かせません。国語の問題で確実に漢字は出題されるうえに、そもそも漢字の意味を知らないと文章を読み進められないからです。漢字は国語の土台であり、そこを避けては国語の成績アップは望めません。なので、何はなくともとりあえず漢字さえ覚えておけば何とかなります。しかし実際のところ、成績の悪い生徒ほど漢字を覚えていません。そこで保護者から「漢字を覚えるにはどうしたらいいですか?」とよく質問されるのですが、前にも申したように書いて覚えるのが間違いないでしょう。ただ、書くことすら「しんどい」といってしない子供もいます。それはもう私の力ではどうすることもできません。ただ、漢字は必ず意味も覚えなければなりません。漢字を覚えるのが嫌と言う子供は、近道をしようとしてろくに意味を調べずに漢字を覚えようとしている印象ですが、漢字の一つ一つの意味を知ると、漢字ほど面白いものはないということがよくわかってきます。

 例えば「商売」と言う熟語に関して。公民の授業でよく生徒に「商売って何?」と質問すると、たいていの生徒は「物を売ること?」と答えます。「じゃあ農家が米作って売っても商売なん?」と質問すると、「うーん、何となく農家は違うんじゃないっすか?」と答えますが、誰もその正確な意味を答えられません。大人でも意外と知らない人が多いし、実は私も大人になるまで知りませんでした。今までこれに答えられた生徒はただ一人、西高の生徒でしたが、ずばり「転売?」と答えてくれました。そう、商売とは転売のことです。他から安く仕入れて他に高く売る、要はピンハネすることが商売なのです(商社にお勤めの方は気を悪くなさらないでください)。算数の問題でよく出題される「原価~円で仕入れて定価~円で売ったときの利益は?」というあれです。中学受験生の教え子はこの問題を解いたときに「(ピンハネなんかしやがって)クソ野郎やな…」と言っていました。そう、小学生ですら「クソ野郎!」と感じるのですから、昔の儒教圏では「士農工商」で商人が一番下に位置付けられ、「商業は賤業」として差別されてきました。中国で長年資本主義が発達しなかったのもそういう儒教的差別意識が強かったからです。そもそも「商」と言う字自体、差別用語でした。商とは昔の中国の殷王朝の生き残りの人々のことで、商は周(殷を倒した王朝)の人々から徹底的に差別されました。土地を持たず、定職に就くことも許されなかったためやむなく転売して生活していったのですが、その結果大儲けして、更に差別されるようになっていきました。そういう「商の連中がやっている売買」だから商売なのです。

 漢字一つでもこれだけ面白い意味があります。別にここまで細かく調べろとは申しませんが、時間はかかりますが、漢字の一つ一つの意味を調べていった方が結局は印象に残りますし、覚えやすいと思います。なので、漢字の問題集は、漢字の意味が載っているものを使用した方がいいです。機械的に字だけ覚えろと言うのも無理な話です。私の授業では、生徒に意味を聞かれたらお答えするようにしています。できるだけ小話を挟んで、興味を持ってもらえるようにしています。

« 学歴について | トップページ | 人権作文について »

勉強法」カテゴリの記事