« 2016年11月 | トップページ | 2017年2月 »

2017年1月

2017年1月24日 (火)

中学受験における算数に対する誤解

 以前にも書きましたが、「中学受験では中学・高校の解法を使ってはいけない!」などということは決してありません。中学・高校の解法で解けるのであればそれで十分ですし、実際、中学・高校の解法を子供に教えている保護者の方も多いことでしょう。ただ、では「中学受験で学んだ算数的解法は無駄か?」と言われれば、決してそんなことはありません。コスパで考えれば一つの解法だけに集中した方がいいのでしょうが、一つの問題に対して算数的アプローチと数学的アプローチ、多面的に思考できる人の方が創造性があるのは言うまでもありません。特に算数的解法が役に立つのが数Aです。公立中学から高校に進学した生徒の多くが数Aを苦手としています。その抽象的な内容にとっつきにくさを感じるのは、西高の生徒といえども決して例外ではありません。対して、中学受験を経験した人であれば、数Aの内容は一度は解いたことのある問題ばかり、「ああ、あれね」という感じで、あとは算数的に理解していたものを数学的に理解し直すだけです。実際、公立中からの高校生に数Aの問題を算数的に具体的に説明すると、よく理解してもらえることが多いです。そういう点において、中学受験の算数的解法は無駄どころか、非常に有益です(そもそも全力で頑張ったことに、無駄なことなんて一つもありません)。そういう意味でも、やはり余裕がある人は、小学生時代に中学受験の勉強をしておいた方がいいです。

2017年1月 1日 (日)

『インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで』岡田尊司

 今まで様々な男子生徒を教えてきましたが、成績の悪い男子に共通しているのは、皆ゲームやスマホ(動画)いじりばかりしているという点です。私はその親御さんたちにゲームやスマホを処分するよう伝えますが、ほとんど実行してもらえません。実際のところ、親御さんたちにはゲームの危険性が全く認識されていない印象です。「たかがゲームでしょ?」「勉強の息抜きも必要でしょ?」程度の認識しかないのではないでしょうか?別に子供が自制的に時間を決めてゲームをするのであれば問題ありませんし、ましてやそれで成績が良いのであれば、いくらでもゲームをさせても全く問題ありませんが、実際は成績の悪い生徒ほど親の目を盗んで何時間もゲームやスマホをやっているのが現実です。「子供がゲームやスマホばかりいじって全く勉強しない」それでお悩みの親御さんたちにはぜひ、岡田尊司さんの『インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで』、あるいは『脳内汚染』(こちらは古い版になります)を読んでいただきたい。

 以下、内容を簡単に紹介します。ゲーム(あるいはスマホ)をすると脳内で大量のドーパミン(達成感を味わったり、喜びを感じた時に分泌されるホルモン)が放出され、その量は覚せい剤を使用したときに匹敵するそうです。そのため交感神経が活発になり、夜眠れなくなります。また、ドーパミンの大量放出の結果、ドーパミンの生成に大量のエネルギーが消費されるため(要は「疲れる」ということ)、結果、勉強において注意力や集中力の低下、記憶力が著しく低下します。また、ドーパミンを大量に使用すると、脳に耐性ができてしまい、より多くのドーパミンがないと脳が働かなくなってしまいます(サイコパスと同じ脳の状態です)。要するに、ゲーム以上の刺激のあるものでないと、何をやっても楽しく感じられなくなってしまうのです。そして楽しく感じられない状態が続くことにより、うつや無気力が生じてしまいます。

 これだけゲームの危険性が明確なのに、未だその認識が浸透していないのは、テレビ局に原因があります。ゲーム会社はテレビ局に莫大なCM料を払ってゲームを宣伝します。その結果、テレビ局はスポンサーであるゲーム会社に不利益な情報を流さないように配慮します。マスコミが「カスゴミ」と形容されるゆえんです。

 私の経験上、ゲームばかりしている子供はキレやすく、また集中力が全くないため、授業中ぼーっとしたり、酷い場合は問題を数問解いただけで「だるい」と言ってすぐに寝転がったりします。正直、授業になりませんし、そういう子供の指導はできません。「子供にはゲームをさせますが、成績は上げてくださいね」と言われても、私としては対応のしようがありませんし、家庭内のことまで責任は持てません。子供のためを思うのであれば、まずはゲームとスマホを処分してください。「でも先生、この子、ゲームをさせると落ち着くんですよ~」たまにこう言う保護者もおられますが、これって、ヤク中の子供に「この子、クスリあげると落ち着くんですよ~」と言っているのと同じことです。あるいは「でも先生、ゲームとネットを禁止したら、今度はテレビばっか見るんですよ!」「そしてテレビを禁止しても、今度はマンガばっか読むんですよ!」こういう保護者もおられますが、全然かまいません。ゲームやスマホの弊害の大きさに比べれば、テレビや漫画の方がはるかにマシです。こうやって徐々に害の少ない遊びに代えていけばいいのです。

« 2016年11月 | トップページ | 2017年2月 »