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2017年4月19日 (水)

自主退学もあり

●自主退学は極めて合理的

 進学校に合格したものの学校のレベルについていけず行き詰まってしまった場合の対処法について。進学校に進むと、カリキュラムの進行が速くなるうえ、難易度も高まり、かつ宿題の量も増えます。宿題を一通りこなすだけで精一杯という人も多いでしょう。その場合、復習にかける時間がなくなるため、結局応用レベルはおろか基礎や基本すら固まらないという悪循環に陥ります。こういう場合、勉強の難易度を落として、まずは基礎・基本だけを固めなければなりません。最初から難易度の高いものは捨て、余った時間を復習に回すのです。このやり方だと上位は狙えませんが、落ちこぼれることもありません。

 ただ、もし子供が私立中学に通っている場合、自主退学した方が早い場合もあります。下位層(学年全体を上から順に3等分したときの下)だけど宿題はきちんとしている人、その人は要領が悪いだけなので、成績が上がる可能性は大いにあります。対して宿題を全くしない人は、そのままその学校に居続けても学力が上がることはまずありません(授業を聞いただけで問題が解けるようになることはあり得ません)。それどころか、上位層・中間層との学力差がますます広がり、いつの間にか公立の生徒達にも追い抜かれ、高3時には悲惨な状態になっています。宿題を全くしないということは、その学校のカリキュラムがその子のレベルに合っていないということです。「頑張れよ!」「気合でやれ!」と口で言うのは簡単ですが(自分がやるわけではないので)、人間の精神力には限度があります。もしそのまま無理にその学校に居続けさせると、精神的ストレスから体調を崩し、うつ、ひいては自殺に至るということも十分にあり得ます。そうなる前に、さっさと公立に戻るか、もう少しレベルの低い私立に編入して基礎からやり直すべきです。有名校に合格できた時点で素晴らしい才能があるのは間違いないのですから、それを磨ける最適な場所(あるいは、今よりはマシな場所)に移動しないと宝の持ち腐れです。

 これ、決して私立のネガキャンをしているわけではありません。実際、どの学校も上位層の学力は半端ないです。その生徒にとってその学校の選択がベストだったということです。ただ、不特定多数を対象にするという集団授業の性質上、どうしても全体のバランスを考えてレベルを設定せざるを得ません(そして、この設定がずれている学校は大学合格実績がよろしくありません)。おそらく個別的救済策をしようと思えばできるはずなのですが、そうなると教師の負担が重くなりすぎるうえ、その結果特定の生徒の成績が伸びれば、それは「えこひいき」になってしまい、公平性を損なうことになってしまいます。結局、生徒に方向性を示す程度のことが限界でしょう。

 高校生になってしまうと自主退学するのが難しくなりますが(独学で高認受けるのもアリですが、よほど自制心のある人じゃないと、結局ニートになる可能性大です)、中学生の間だといくらでもやり直しがききます。私立に進んだのは「いつでも公立に戻れるオプション権」を得るためだったと割り切って考えた方が合理的です。辞めるなら、なるべく早い方がいいです。時間が経つにつれしがらみも増え、辞めるに辞めれなくなってしまいます。子供は(あるいは親も)「辞めたら恥ずかしい!」と思うかもしれませんが、気にしているのは本人だけで、他の生徒達は自分のことで頭がいっぱいでしょう。「あ、あいつ(学校)辞めたんやって」「へー、そうなんやー」その程度です。仮に辞めたことを笑ったりするような奴がいたら、そいつはよほど屈折した人間なので、そんなのを気にする必要は全くありません。

●現状認識の必要性

 下位層の生徒の親御さんはおそらく、危機感を持っていらっしゃることでしょう。ただ、私の経験上、下位層の生徒の学力の低さはその親御さんの想定するヤバさの遥か上を行っていることがほとんどです。「下位層といったって、うちは有名校なんだから、一般的には十分賢い方でしょ?」そう思われている方は一度、子供に兵庫県の公立高校入試問題(5教科すべて)を解かせてみればよいでしょう。その合計点で、どの公立高校にひっかるかが計算できます(本人に採点させるとズルしたり点数を水増ししたりしますので、必ず親が採点してください)。それで現状が認識できるはずです(学校でイベント化すればいいのに。夏休みにでも、中3の下位層だけ集めて、抜き打ちで入試問題を解かせて採点してあげれば、多少は目が覚めるかも)。

●私立高校の下位層を指導する場合

 もし私立の子供が下位層のまま高校に上がってしまったら。そういう子供を指導する場合、中学の基本、それも公立のレベルからやり直すケースがほとんどです。中学の基本に戻りつつ、現在の範囲も同時並行的にするというのが理想ですが、実際、私立のカリキュラムの進行速度はとても速いため、また、下位層の生徒のほとんどは家で全く勉強をしないので(した「ふり」をする能力だけは長けています)、時間が全く足りないのが現実です。高校の偏差値が高くなればなるほど、遅れを取り戻すのが難しくなってきます。なるべく学校との橋渡しができるようにいたしますが、その生徒の学力と学校のカリキュラムのレベルとの乖離が大きいときは、現在の学校のカリキュラム外の基本的なことを優先的にさせていただいております。下位層の生徒ほど、とにかく目先の宿題を終わらせようとするのですが、それだと抜本的な解決にならないため、私の好きなように時間を使わせていただいております。これから家庭教師に依頼をお考えの方は、その点を予めご了承ください。

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