モチベーション

2018年11月 5日 (月)

どうしても勉強させたいなら

 「この子、全くやる気がないんです!なんとかしてください!」「この子、家で全く勉強しないんです!なんとかしてください!」現在はこういうご家庭からの依頼は全てお断りしております。やはり最低限、子供本人のやる気は必要です(やる気とは願望ではなく、やるべきことをやる覚悟のことです)。「自分を変えたい!」「なんとかしたい!」「成績を上げたい!」「~校に受かりたい!」少なくとも子供自身にそういう気持ちがなければ、お力にはなれません。仮に「私、この子をプロ野球選手にしたいんですけど、この子、全くやる気がないんです!全然練習しないんです!なんとかしてください!」と言う親がいたら、大多数の人は「あんた、何言ってんだ?」と思うことでしょう。この場合、「子供をプロ野球選手にしたい」と言うのは親の欲であり、子供に「それに従え」というのは親のエゴです。ところが、勉強に関しては、この変な理屈がまかり通っています。その前提には、子供に「(学校の)勉強は必要だ」ということが正しいものと信じて疑われていないからでしょうが、それって本当に正しいのか?

 そもそも世の中に正しいものなんてありません。人は「自分は正しいと思う」としか言えないはずであって、「自分は正しい」と言い切ってしまう奴は、かなりヤバい奴です(そういう奴とはなるべく関わらないようにしましょう)。もっとも、人それぞれが「自分は正しい」と言い始めたら世の中がまとまらないため、「正しいとされていること」によって(その典型が法です)、それぞれが妥協することで社会が成立しているわけです。親が「勉強は必要だ」と思うのであれば、親自身が自分の言葉で「私は勉強は必要だと思う」ということを子供に伝えるか、あるいは子供に「勉強は必要だ」ということを認識させるように誘導することです。少なくとも、親が念仏みたいにただただ「勉強しろ!」「勉強しろ!」と唱えたところで、何の説得力もないどころか、子供はその念仏をウザがって余計に勉強しなくなるだけです。そもそも、親に「勉強しろ!」って言われて「はい!わかりました!」と素直に勉強する子供って、いるのか?

 勉強する、しないは子供の自由です(ただ、勉強しないことで受ける不利益は認識しておいた方がいいとは思います。後になって社会を逆恨みされちゃたまらん)。それでもどうしても、「勉強をしたくない」という子供に勉強をさせたいのであれば、以下、具体的な方法として、

①子供に給料を払って勉強をさせる…子供が勉強したら「1時間につき~円あげる」ようにしておくことです。これ言うと「不道徳だ!」みたいなことを言われるのですが、子供に「意に反する苦役」を行わせるのですから、それに見合う対価を支払いのはむしろ当然でしょう。実際、大多数の会社員は給料と引き換えにやりたくもない仕事をしているわけですから。

②泣く…これは主に、母親が息子に対してとれる手段です。これ確か、福山雅治さんがラジオで語っていたエピソードだったと思います。福山さんは高校時代、学校に行かず毎日布団の中でゴロゴロ寝転がってダラダラ過ごしていたそうです。そんな毎日が続いていたある日、そっと母親が福山さんの部屋にやってきて、無言で枕元に正座して、ただ涙をポロっと流したそうです。福山さんはそれを見て、大慌てで学校に行ったそうです。なんとなく、その気持ち、わかります。なんだかんだで、男は母親が大好きです。その母親の涙を見ることほど、辛いものはありません。男は母親の涙を見て、「ああ、俺のこと、本気で心配てくれているんだな」と痛感することでしょう。少なくとも、「母親を悲しませるようなことは控えよう」と思うはずです。お母様方は、嘘泣きでもいいので、試してみる価値はあるのではないでしょうか?

③ぶん殴る…決してお勧めはできませんが、一つの手段として、子供が勉強していなかったら、父親が子供をぶん殴る。恐怖で子供を支配して、勉強させる。どうしても子供を勉強させたいのであれば、手段としてはアリかも知れません。その結果、子供が家出したり自殺したりするかもしれませんし、子供が一生トラウマを引きずって生きていくかもしれませんし、親子関係が修復不能なまでに壊れるかもしれませんし、あるいは親がプッツン来た子供にナイフで刺されるかもしれませんが、そこは自己責任でお願いします。堀江貴文さんと井川意高の共著『東大から刑務所へ』という本があります(結構面白いので、お勧めです)。井川さんは元・大王製紙の社長で、カジノで会社の金約100億円を使い込み、背任で実刑判決を受けたことで有名です。この本によると、井川さんは中1の頃、父親からマンツーマンで英語を教えられていたそうなのですが、井川さんが少しでも問題を間違えると、学歴コンプレックスの強い父親から(一浪して慶応)グーでぶん殴られていたそうです。ある時は激高した父親にゴルフクラブで殴られそうになり、母親の必死の制止で事なきを得たそうです。ただ、その結果、英語の成績が上昇し、現役で東大文1に受かったそうです。勉強という分野では成功したのかもしれませんが、勉強漬けの反動からか(ほとんど遊んだ記憶がないそう)、その後井川さんがカジノにハマって会社の金を横領し、結果、責任を取らされる形で井川一族が会社から追い出されたことを考えると、失うものの方が大きかったと言えるでしょう。

2018年10月19日 (金)

超不安です

 ここ1ヶ月ほど、不安な日々を過ごしております。仕事に関することではありません。1ヶ月ほど前から、自分の中にある「欲」が出てきて、それを満たすためには自分のスペックが低すぎるということを痛感し、自己嫌悪に陥っております。そもそも、その「欲」を満たすために自分がやろうとしていることが正しいのかどうかさえも分かりません。超不安です。ただ、この感じ、嫌いじゃない。欲がなければ動き出さなかったのも事実。不安が努力するための活力になっているのも事実。他人との関係性の中でしか見つけられないこともあれば、自分の心の底を覗き込まなければわからないこともあります。前者は楽ですが、後者は結構しんどいです。ただ、そのしんどいことに向き合うことが「生きる」ということなのかもしれません。流れにまかせて思考しないのは、死んでいないだけで、生きているとは言えません。ちょっと自分、生きていませんでした。

 そんな私が偉そうに言えた義理ではありませんが、もし将来の夢や目標が見つからないという人がいたら、とにかくいろんな人に会っていろんな話を聞くのが良いと思います。それが何かのきっかけになるかもしれません。人間は、特に若いうちは、自分と同レベルの人間とつるみたがります。そこが居心地がいいから。ただ、そのせいで世界を狭めてしまうのは非常にもったいないです。

2018年9月 7日 (金)

握手会に行け

 先日、教え子の一人(男子)が、某大手系列予備校において、2万円くらいする「モチベーション」に関する超胡散臭そうなセミナーを、なんと5時間も受けてきていました。私は「やめとけ」と言ったのですが、押しに弱いその子は結局行ってしまいました。で、そのセミナーを受けてその子のモチベーションは上がったのか?といえば、全く効果はない様子。本人曰く、「行かなよかった…」。いやいや、んなもんで上がるわけないって。その金と時間があれば、彼の大好きな乃木坂46のメンバーの握手会に行った方が、よっぽどモチベーションアップにつながったことでしょう。どうでもいいおっさんの話を5時間も聞くよりも、たとえ5秒でも、自分の好きな女性に「受験生なんですか?頑張ってください!」って言ってもらう方が、その子にとってよっぽど活力になります。

 男にとってのモチベーションとは?(下品な言い方で申し訳ありませんが)女、それしかありません。勉強すること、体を鍛えること、出世、金、これらも結局は女にモテるためです。あらゆる動物のオスは、メスの気を引くために努力します。少しでもいいメスに振り向いてもらうために、自分を高める努力を惜しみません。が、周りに女子のいない男子校の生徒の場合、共学でも振り向かせたい女子が周りにいない男子の場合、勉強にしろスポーツにしろ、モチベーションを維持するのは困難になってきます。無気力に怠惰に日常を送っている男子たちは、もし好きなアイドルがいるのであれば、是非とも握手会に行くべきです。握手会に行って今までに見たこともないような可愛い女子と会話すれば、ものすごいエネルギーをもらえるかもしれません。「よーし、俺も今から努力して、将来はこれぐらい可愛い女の子と結婚するぞー!」と思えれば大成功です。間違っても、「でも現実には無理だよなあ…」などと考えてはいけません。人生、勘違いしたもん勝ちです。引きこもりもニートも、握手会に行けばいいのです。握手会に行けば、次の握手会に行くための金を稼ぐために働くようになるかもしれません。

2017年9月20日 (水)

目標にとらわれてはいけない

 私が高1の時、初めての個人面談で、担任から「お前、将来はどこの大学のどの学部に進みたい?」と尋ねられ、当時の私は大学なんて東大か京大ぐらいしか知らなかったし、将来の夢も目標も特になかったことから(「たくさん稼げれば何でもいいや」とは思っていました)、「まあ、行けるところに行きたいです」と答えたところ、担任に「お前、それおかしいやろ!目標を定めて、そこに向かって努力していくんやろうが!」と叱られました。どうも担任には、私が本気で勉強しようとしていないと誤解されたようです。私は昔から、目標を定めて頑張るということをしていません。漠然とした目標はありますが、そこに向けてひたすら頑張るというよりも、とにかく目の前のことをやっていくという感じです。そうやってコツコツやった結果、最終的に大きな結果につながるというのが私の理想です。勉強に関しても、先のことは考えず、とりあえず学力さえ高めていけば、たくさんの選択肢をもてるのではないでしょうか?別にこの担任のような「高い目標を掲げて、そこに向かってひたすら頑張る!」という熱い生き方を否定するつもりは毛頭ありませんが、それを押し付けられるのはまっぴら御免でした。今にして思えば、担任も生徒がある程度の方向性を示してくれないと今後についてアドバイスしにくいという部分もあったのでしょう(頼んでないけど)。ただ、家族と学校という極めて閉鎖的なコミュニティの中で育ってきた子供に対して「将来の目標を決めろ!」って、子供からしたら結構ハードル高くないですか?

 夢や目標を持つこと自体を否定しているわけではありません。夢や目標はそれ自体がモチベーションになりますし、それらがあった方が走りやすいのは間違いないです。ただ、夢や目標は無理やり探すものではないですし、仮にそれらが見つかったとしても、それらをかなえるための下地がなければ話にならないわけで、その時が来るまで牙を研ぎ続けるという選択も、決して否定されるべきものではないと思います。

 私がこの仕事をするようになってよく目にするのは、高すぎる目標に苦しんでいる子供の姿です。目標が高すぎるために、結果が出せないことで自己嫌悪に陥り、次第に勉強意欲を失っていく姿です。客観的に見て良い変化が生まれていても、高すぎる目標のせいで「こんなんじゃダメだ」と否定してしまいます。また、目標が高すぎるせいで、現時点での自分のレベルに合っていないことをやろうとして、それに精神がついて来れずに自滅する子供もいます。さらに、目標が高すぎるせいで、それ以外の選択肢が価値のないものに思えてしまう危険性もあります。そうなってくると、生きづらくなってきます。これは子供に限らず、大人にも共通しているように思えます。

 以前、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で、歌舞伎俳優の坂東玉三郎さんが「遠くを見ない 明日だけを見つめる」と仰ってました。まさに本質を突いた言葉だと思います。まずは目の前のことをやる。できることだけを積み重ねる。そうすれば結果はおのずとついてきます。

2015年1月15日 (木)

コミットメントの重要性

 基本的に人間は義務感では行動しません。震災の惨状を見て、自発的にボランティアに行く学生も、学校から「ボランティアに行け」と命令されたら行かないでしょう。漫画『ワンピース』が好きな人でも、「~日までに『ワンピース』全巻読んで感想文を書け。君の大好きな『ワンピース』だから楽勝だろ?」と言われたら途端に読む気を失くすでしょう。勉強も例外ではありません。子供に勉強をさせるには、子供自身にコミットメントさせる必要があります(詳しくはチャルディーニの『影響力の武器』に)。親が子供のために問題集を買ってきても子供はしませんが、子供が自分で買ってきた問題集はします。自分のお小遣いで問題集を買った場合は尚更です。親に塾に行かされた子供はあまり成績が上がりませんが、自分から「塾に行きたい」と言って塾に通った子供は成績が上がります。

 結局、私の仕事も、いかに子供のやる気が出るように上手く誘導するかがメインになります。授業の分かりやすさだけでは子供の成績は決して上がりません。私の仕事はホストに近いです。基本的には子どもを褒めまくり、いい気分にさせてその気にさせ、少しでも成績が上がればさらに褒める。そうすると子供も「もっと勉強したらもっと成績が上がるんじゃない?よーし、やってやろう!」とやる気が生まれてきます。高すぎる目標を「与えられた」子供は、現実との齟齬に苦しみ、自己嫌悪に陥ったり、あるいは勉強に疲れてやる気をなくしてしまいます。あるいは、やる気があっても、大量の、しかも本人にとっては必要性のない宿題や課題を「与えられた」子供は、次第に勉強に疲れ、徐々にやる気を失くして行き、最終的には本を開くのも嫌になる、そういうケースが非常に多いです。孔子の論語に「知之者 不如好之者 好之者 不如楽之者」という一説があります。「あることを理解している人は、それを好きな人にはかなわない。あることを好きな人は、それを楽しんでいる人にはかなわない。」という意味です。勉強は楽しまなければ長続きしません。テストの点や成績は関係なく、まずは目の前の勉強に興味を持つこと、そういう方向に上手く誘導することが重要です。何か一つでも興味のある科目があり、それだけは楽しんで自発的にしているという状態であれば、それを優先的にさせなければなりません(無理やり他の科目をさせようとしても、子供はしません)。そして好きな科目をさせていれば、その科目だけ点数が上がる、そうするとなんとなく点数の取り方が分かってきて、他の科目の勉強の仕方も考えるようになります。また、好きな科目でも同じ事ばっかりしているとだんだん飽きてきます。すると自然と他の科目も勉強するようになります。こうやって、上手く子供を誘導していくことが大切です。

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